誰でも分かる舌診_胃内停水

2021年7月3日;(写真は 大分市 府内城 西の丸 です。)
舌診から見る病気の原因、胃内停水です。

胃内停水

舌診で分かりやすいのは水毒の胃内停水です。胃内停水は教科書では胃部分を軽く叩くとピチャピチャと振水音がするとなっています。振水音がするほどでは無くても胃内停水は舌から胃までの消化器の浮腫みと考えれば分かりやすいです。

浮腫みですので向こう脛を抑えた時と同じように、舌の辺縁に歯型が付きます。
直接、師匠や先輩に教示を受けると実の胃内停水(半夏の証)か虚の胃内停水(白朮・茯苓の証)か直ぐに判断出来るようになります。

胃内停水は非常に多くのお病気の原因になります。

柑橘類の働き

柑橘類は酸っぱいです。
東洋医学の五味は「酸」ですので、酸っぱい物は身体を「温め」、「収」の働きで身体を「潤す」と考えます。柑橘類の実は酸・温・収・潤です。

しかし柑橘類の皮部分は香りの精油成分が多く「辛」ですので、辛い物は身体を「温め」、「散」の働きで発散発表作用があり、「燥」で身体から水分を抜きます。

柑橘類の実は「酸・温・収・潤」です。
柑橘類の皮は「辛・温・散・燥」になります。
東洋医学の臓腑理論で考えると、実と皮は相剋関係(肺金→肝木)で小宇宙を造っているのが解ります。
「小宇宙」に関しては陰陽と小宇宙と、縄文人の小宇宙をご覧ください。

東洋医学では柑橘類の皮部分の香り成分である精油には毒があると考えています。
そのため1年前後以上、陰干しで乾燥し寝かせ精油成分を減らし漢方薬として使用します。家庭で皮部分を使用する場合は陰干しするか、火を通すと熱で精油が抜けていきます。

季節の柑橘類

冬の柑橘類(温州ミカン、キンカン、橘、オレンジ、柚子など)は体表を温める働きがあり気滞を発表発散します。漢方生薬では青皮、橘皮、陳皮などです。
白皮部分が割合に多い夏の柑橘類(ザボン、ボンタン、カボスなど)は気塊を取る働きです。漢方生薬では枳実、枳殻などです。

暑い夏には、熱中症や脱水など身体の内側に熱が籠り気のうっ滞が起こり気塊が生じます。気塊を取る夏の柑橘類。
寒い冬には、気温が下がり体表が冷えます。体表を温める冬の柑橘類。自然は凄いですね。身土不二ですね。

気の厚さ薄さ

この冬の柑橘類の発表発散作用を用いて胃内停水の養生ができます。
漢方薬や食材は香りが強いほど表面に働き、香りが薄くなるとやや深い部分に作用点が移ります。東洋医学では「気が厚い薄い」と表現されます。

柑橘類で胃内停水を除く

青皮は香りの精油成分が多く、1年くらい寝かした橘皮はやや少なくなり、更に寝かした陳皮はもっと精油成分が少なくなります。
胃内停水は体表ではなく、やや深い胃腸に使いますので精油(香り)の少ない陳皮が最適になります。
漢方薬としては皮部分を使用します。皮部分を含んだジャムやマーマレードなど、カボスを絞るなどでも良いと思います。
夏場に店頭にある柑橘類ではオレンジ(冬の柑橘類ですが輸入品で夏場でもあります)などです。