誰でも分かる舌診_舌苔と燥湿

2021年7月2日;(写真は 梅雨の合い間の緑、湯布院から望む久住連山 です。)
今日から舌診各論に入ります。

舌苔と燥湿

舌診の苔と燥湿は内臓の熱(炎症状態)を診ます。少陽病位と陽明病位、太陰病位です。

  1. 少陽病は中焦(鳩尾から臍まで。肺の下部、肝臓、胆嚢、胃、十二指腸、膵臓など)
  2. 陽明病と太陰病は下焦(臍から下。小腸、大腸、腎臓、膀胱、卵巣・子宮などの生殖器など)

中焦・下焦に熱(炎症)があると舌苔が生えます。熱(炎症)の強さで苔の色と苔の厚さが変化します。

熱が強くなるほど、苔色は白色→黄色→褐色→黒色と変化します。同時に苔の厚みも厚くなっていきます。また苔の湿り具合も湿潤から乾燥へと変化していきます。
慢性肝炎など通常は白~黄色の苔が生え湿潤からやや乾燥気味です。肝炎でも末期になると太陰病位に入り、熱性が弱り苔は薄くなっていき湿潤してきます。

また中焦より下焦の方が熱が強い傾向にあります。
下焦の熱(炎症)では陽が強く、脱水に近い状態(血液中の水分の減少を伴います。)が多く、水分摂取を好む(口乾ではなく口渇状態)傾向にあります。
便秘や糖尿病の初期、多血症、テーラー症候群(骨盤内うっ血)などの瘀血では苔も厚く乾燥しています。苔色も黄色から褐色になる事が多いです。

病が進み陰病に入り太陰病になると下焦の熱がなくなり寒になります。しかし太陰病では陽が少し残っているため微白苔・手足煩熱を呈し苔は湿潤しています。
更に陰が強くなり寒が強くなると、少陰病で苔は消失し舌は湿潤しています。

病の進行で纏めると
太陽病(表寒。苔なし)→少陽病(半表半裏熱中。白苔~黄苔、湿潤)→陽明病(裏熱強。白苔~黄苔~褐色苔、乾燥)→太陰病(裏寒中。微白苔、湿潤)→少陰病(表裏表寒強。苔なし、湿潤)
となります。

次回は、誰でも分かる舌診_胃内停水