漢方用語の変遷

2020年10月1日;
私が若い頃、漢方医学を勉強する書物は現在のように多くは無かったです。
漢方は師匠や先輩から教えてもらい習っていた時代です。

茯苓(ブクリョウ)と現在は呼ばれる漢方薬があります。
当時は、茯苓(ブクレイ)と発音していました。
最高級茯苓の産地、鹿児島大隅ではブクリュウと呼ばれていました。その後、大隅茯苓は松くい虫で全滅しています。

桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン → ケイシブクレイガン)
桂枝加苓朮湯(ケイシカリュジュツトウ → ケイシカレイジュツトウ)
苓桂朮甘湯(リョウケイジュツカントウ → レイケイシュツカントウ)が伝統的な発音です。

茯苓は、松の木の地上葉の末端の真下付近の根に、同心円に絡みつく様に付く菌糸体です。
松の根に近い部分の茯苓(ブクレイ)は、茯神(ブクシン)と言い精神神経症状に適応します。
茯苓(ブクレイ)は東洋医学の臓腑では「心」に配当されます。苓(レイ)は霊であり、茯苓は茯霊(ブクレイ)です。

同様に発音が変わった用語に生薬の加工を意味する修治(シュチ)が、現在は修治(シュウチ)と呼ばれています。
伝統的用語の発音が変わる事により、新しく漢方を学び始める方々へ本来の意味が伝わりにくくなってきています。

次回のコラムは茯苓の発見です。