
2021年8月31日;(写真は ゴビ砂漠の砂の下から出てきた漢方薬の芒消ボウショウの層です。)
砂漠の万里の長城3より続く
野生の甘草を掘っていると土の下から白い層が出てきました。芒消(ボウショウ)です。
砂漠の下から出てきた芒消の層です。
海水が内陸で乾燥し岩塩や石膏、芒消などが堆積します。
朴消(ボクショウ)は硫酸ナトリウムです。芒消(ボウショウ)は硫酸マグネシウムです。
本草綱目の著者の李時珍は硫酸ナトリウムを芒消と考えてしまいました。日本では幕末に西洋から輸入された硫酸ナトリウムを芒消と間違えてしまいました。
そのため現在でも硫酸ナトリウムが使われたりもします。
しかし正倉院に保存されている芒消は硫酸マグネシウムです。
朴消(硫酸ナトリウム)も芒消(硫酸マグネシウム)も元は海水です。五味は鹹です。「潤し軟らかくし降ろす」働きは同じです。
両者とも腸内で殆ど吸収されず水分を吸着し便を軟らかくします。便通に関してはどちらも同様の働きがあります。
では使い分けは?
精神神経症には芒消マグネシウムより朴消ナトリウムの方が効果が有るように感じます。
例えば、桃核承気湯を統合失調症などに使用する時は朴消ナトリウムを使用した方が良く、防風通聖散などには芒消マグネシウムの方が良いと思います。