
2021年8月28日;(写真は ゴビ砂漠に自生する漢方薬の甘草カンゾウです。)
砂漠の万里の長城2より続く
途中の休憩所でトイレに行くと、道端に漢方薬の甘草が雑草として咲いていました。
車でオアシスの周辺まで行きました。甘草がオアシスの周辺には大量に咲き乱れています。
写真はオアシス周辺の野生の甘草です。
案内をしてくれた中国の方は「子供の頃はアルバイトで甘草を収穫していました。今は他のバイトの方がお金になるから誰も採らない」とのこと。
日本では東北甘草と西北甘草が使われます。
この2種類の甘草を粉砕機にかけると、質の良い東北甘草は末になり易いです。
西北甘草は綿状になり、末になり難く苦労した経験があります。
西北甘草の線維と東北甘草の線維は質が異なるのだと思われます。
根物の生薬の鑑別は
- 太い事(黄芩を除く)
若い根ではなく充実した根物を選びます。 - スカが無い事
年を取りすぎ太くなりすぎるとスカが入り線維が多くなります。 - 必要に応じ外皮を俢治
外皮の毒性を除きます。 - 出来るだけ乾燥
薬用人参などは、叩くと金属音がするまで乾燥し固めます。
硬い細胞膜が壊れやすく成分が抽出されやすくなります。
質の良い東北甘草は供給が年々少なくなっています。価格的に高いからか、甘草の採取で砂漠化を招くからか。
線維の多い根物生薬は「スカ」と同様に良くありません。
太陽堂漢薬局では30年前から東北甘草を使っています。
砂漠の万里の長城4 へ続く