漢方薬としての卵

2021年7月7日;(写真は 大分市 府内城、水手口から二階櫓です。)
排膿散という漢方薬があります。化膿性疾患で患部が固く腫れている時に使用すると膿が排出され急速に改善します。
患部が柔らかい時は排膿湯と言う漢方薬を使用します。日本では排膿散と排膿湯を合方した排膿散及湯が使われることも多いです。

応用として癤セツ(おでき)、癰ヨウ(複数のおでき)、面疔メンチョウ(にきび)、麦粒腫(ものもらい)、扁桃腺炎、歯槽膿漏、中耳炎、副鼻腔炎など化膿性疾患に幅広く用いられます。

この排膿散は原典である金匱要略には、服用する時に卵黄1個を混ぜお湯で飲むように指示されています。記載通り卵黄を入れると効果が増します。

漢方百話(矢数道明著)には「瘭疽に生卵の奇効」の表題にて、瘭疽(ヒョウソ、指先の化膿性疾患で激痛がします)に対し、生卵の上部に穴を開け指を入れ目の高さより上に挙げ40分以上静置すると痛みと炎症が消失した症例を何例も挙げられています。

また甲字湯や乙字湯を創った水戸藩の藩医だった原南陽の砦艸(トリデクサ)には刀傷を酒で洗った後、卵白を使う治療法が書かれています。

生卵は雛がかえるまで温められます。
その期間は卵の中は高温なのに無菌状態が保持されます。生卵には殻での防菌以外にも、黄身・白身の部分に殺菌作用や消炎作用があるのかもしれません。

※ 卵の黄身は胆のうを収縮させ胆汁を流す働きがあります。胆石症の方は痛みが来ることがありますのでお気を付けください。