多汗症・手掌多汗症について

多汗症・手掌多汗症で悩まれている方は多いです。
人前で自分だけ発汗することがストレスになり、人にも相談できずに苦しまれています。

多汗症・手掌多汗症とは

多汗症は、全身に発汗をする全身性と、局所を中心に発汗する局所性とに分かれます。
全身の汗腺は、交感神経の支配下にあります。交感神経は通常はノルアドレナリンを分泌します。しかし発汗の時だけは、何故か交感神経興奮によりアセチルコリン(通常は副交感神経興奮により分泌される)が分泌されます。この全身性の汗は体温調節のためです。
また精神的に繊細な方が興奮した時に一時的にかく汗も全身性です。
また原因が分からない場合や腫瘍などによる神経障害を起こしている場合も有ります。
局所性の一つに、首から上や頭からの発汗が多い人が見られます。辛い食べ物を食べた時も首から上に汗をかきますが、東洋医学では頭汗(ズカン)と言い、日常生活では女性の更年期に出る方が多いため、ホルモンが関係していると考えています。
また精神的緊張やストレスなどで、手掌多汗症を代表とする手の平や足の裏に集中的に汗をかく場合もあります。

東洋医学の治療の対象となる異常発汗は
1.体温調節のための汗
2.興奮した時にかく一時的な汗
3.頭汗
4.手掌多汗症
の4種類になります。

多汗症・手掌多汗症と漢方

タイプにより様々な方剤の治療があります。
日常の全身性。一時的緊張や興奮による全身性。局所的に首から上。局所的に手の平・足の裏等です。
どのタイプも養生が大事です。共通する養生は、体重を落とす事と食事を薄味にすることです。
人間の体内の水分・血液濃度は、一定に保たれています。5gの塩分を摂ると500mlの水分が身体に保有される計算になります。
身体に保有している水分が多いほど発汗量も増えます。塩分を減らすのは難しいですが、薄味にすると自然に塩分が減少します。

体質に合わす漢方処方

伝統漢方古方派を中心とした一般的薬方をご紹介。

柴胡桂枝乾姜湯

この処方は、柴胡剤の中で最も虚証向けの方剤です。
女性の頭汗や、首から上の発汗が多いタイプの多汗症に使用します。更年期の女性に多くみられます。
この処方は、女性ホルモンも改善する働きが有り、更年期障害が軽くなります。精神神経症にも応用されます。

四逆散

左脳タイプの手掌多汗症に汎用されます。原方に2味の加味方で効果が増します。
生真面目なタイプの方が多いです。また一度目覚めたら眠り難い、或いは夢を殆ど見ないタイプの方です。仕事熱心な方が多いです。
養生としてはストレスの発散が必要です。「しなければならない仕事」以外の「しなくても良い」趣味や読書、旅行、お出かけなどをすると良いです。

桂枝加竜骨牡蠣湯

右脳タイプの手掌多汗症に用います。
目覚めても直ぐに眠れる、夢をよく見る人が多いです。また尿の回数が多いのもこのタイプです。
芸術家タイプで、字が綺麗だったり、絵が上手だったり、独特のセンスがある方が多いです。
桂枝加竜骨牡蠣湯と同種の桂枝甘草剤で良くなる方もいらっしゃいます。

防已黄耆湯

全身性の多汗症に用います。
一般的に水太りタイプです。筋肉が弛緩し柔らかく色白な方が多いです。その他の利水剤が適用になる方もいらっしゃいます。
養生としては、食事を薄味に徹し、また体重を落とす事が重要です。

黄解散

全身性の発汗に使用します。
精神的に繊細な方で、興奮したり緊張すると汗が噴き出すタイプです。桂枝甘草剤と併用しても効果が有ります。
ご自分から機会を得て、色々な緊張場面に積極的に場慣れする事も大事です。

当薬局の改善症例

多汗症・手掌多汗症を太陽堂で治療された症例をご紹介します。
漢方の不思議な力を信じて。一緒に取り組みましょう。

発熱発汗が改善してきた

薬歴No.4808 男性31歳
ETS手術(胸部交感神経遮断手術の事です。手掌多汗症の原因が交感神経の機能亢進なので、神経を遮断し汗を出にくくする手術)による後遺症の発熱、発汗共に、何となくですが改善してきたように思います。
本当に有難うございます。今後とも宜しくお願いします。

太陽堂からコメント
こんにちは。お体に少し変化が出てきたのですね。本当に良かったですね。
糸練功の合数も上がっていました。これからも症状に波があると思いますが、諦めずに頑張っていきましょうね。

だいぶ楽に多汗症がなり、助かっています

薬歴No.4808 男性32歳
まだ完全ではないですが、昨年の同時期より大分楽になってきていて助かっています。

太陽堂からコメント
昨年と比べると随分良くなられたようですね。このまま順調に改善して行くと良いですね。

お病気に対して

多汗症・手掌多汗症は、煎じ薬による体質改善が一番だと考えています。原因が外因ではなく内因だからです。体質を変える事が大事です。また東洋医学的な養生も非常に重要となる疾患です。