漢方の下ごしらえ「修治(シュチ)」

2020年9月29日;
煎じ薬を造る時に、その原料生薬を下ごしらえ(加工)します。それを修治(シュチ)と言います。
修治には原料生薬ごとに様々な方法があります。

例えば大黄には唐大黄と錦門大黄があります。
唐大黄は瀉下作用が強く、錦門大黄は瀉下作用が弱く清熱(抗炎症)目的で使用します。
錦門大黄を清熱作用として使うため、更に瀉下(降作用)を弱める目的でお酒(升作用)に浸け乾燥させます。
同様にお酒を使用し修治する生薬には鶏血藤や地黄などが有ります。

酸棗仁と言う生薬は「生」で使用するとレセプター覚醒作用。炒って使用するとレセプター鎮静作用が現れます。2種類の酸棗仁を使い分けます。

牡蠣(牡蠣殻)は「生」は炭酸カルシウムが主成分となり、皮膚掻痒や自律神経、脱毛症などに使用します。化石牡蛎を炒ると酸化カルシウムに変化し腫瘍などに使用出来るようになります。
牡蠣を炒るのは牡蠣アレルギーを抑える目的も有ります。アレルギーの原因は牡蠣殻にしみ込んだアミノ酸です。
アレルギーを抑えしかも炭酸カルシウムとして使いたい時は、生牡蠣を10分弱炒ります。必ず糸練功にてアレルギー反応が消失したことを確認し患者さんへ使用します。
熱を加え炒って使う生薬には、他に筋腫などに使用する土別甲などもあります。

また放置することにより数ヶ月寝かし、毒性成分の減少や変化をさせてから使う生薬。
日光に当て紫外線による変化を待つ生薬。
生姜や黒豆と煮る事により効果を増したり毒性を消したりする生薬もあります。

生薬問屋から仕入れた生薬では煎じても成分が出てこない生薬も有ります。予め鉄鉢で生薬を潰します。
黄疸や肝臓に使用する茵チン、胃腸に使用する広茂などです。

他にも生薬ごとに様々な修治が有ります。手間暇かかります。
漢方薬を安全に効果的に使うため、先人からの伝統的な教え・修治を守っていきます。