陰陽と小宇宙

2020年6月30日;
東洋医学の基本理論は「陰陽二元論」です。虚実、寒熱を始め、全ての理論が陰陽二元論から出来ています。
虚証(弱った人)には陽薬(元気が出る)の漢方薬が合い、寒証(冷え性の人)には熱薬(身体を温める)の漢方薬が合います。

東洋医学の「天人合一の思想」は「陽気の集まる所は天なり、陰気の集まる所は地なり。万物は消長によって構成される。人間もまた天地間の一物であり、大自然の宇宙に対し、小宇宙である」となっています。
「自然が大宇宙で人間は小宇宙、人間は自然により創造された一物」であると。
小宇宙は、陰と陽が混在し常にバランスを取ろうとしています。バランスが取れた状態が「太極(健康)」となります。

私が漢方を勉強し10年を過ぎた頃、「近代漢方薬」を書かれた高橋良忠先生のお弟子さんで初老の先生に言われたことがあります。
「先生(私のこと)は、白黒ハッキリさせようとする。虚か実か、寒か熱か。病は簡単ではない。こちらに来なさい」と。
夕焼けを見せられ「夕焼けは陰か陽か?」と尋ねられました。夜は陰、昼は陽です。「夕焼けの様に陰でも陽でもない陰陽の混在した病が多い。いい加減なファジーな部分を認めるのが東洋医学だ」と。

法隆寺の五重塔の修復をされた宮大工さんは、山の北面に生える木を五重塔の北側の木材に使い、南面の木は南側に使ったそうです。
森は真直ぐな木や曲がった木が混在し成り立っています。宮大工さんは真直ぐな木だけでなく曲がった木も適所に使うそうです。そして丈夫な建物が出来るそうです。

小宇宙の陰陽は混在しています。無駄な物はありません。
東洋医学はバランスを取る医学技術であり、余分な物を除き捨てる技術ではありません。

東洋医学では、大宇宙の中に小宇宙があり、その小宇宙を大宇宙として更に小宇宙があると考えています。「大宇宙の中に小宇宙、小宇宙の中に更に小宇宙・・・」夫々の小宇宙で陰陽のバランスを取ります。

西表ヤマネコは大陸と陸続きの時に渡って来ました。大宇宙の西表の環境の中で、小宇宙のヤマネコは独自の進化を遂げていきます。

男が陽、女が陰。どちらが上でも下でもないです。相反する男女が一つに成りバランスを取り小宇宙が出来ます。その小宇宙で家族が出来、家族を囲む社会と言う大宇宙が出来ます。
「大宇宙に生かされる小宇宙。小宇宙が形造る大宇宙」です。