食養生は食文化

2020年6月25日;
東洋医学の食養生には理論が有ります。
「五味」「五気」「気味の厚薄」「五色」「寒熱」「補瀉」「燥湿」をと考えます。
「升降」「収散」をと考えます。
一つ一つの食材を理論に当てはめ、食養生を構築していきます。

食とは「人に良いもの」と書きます。
薬とは「楽になる草」と書きます。
膳とは「身体に善いもの」と書きます。

私の師匠の故入江正先生は、文明と文化の違いを仰っていました。「漢方薬は文明であり、漢方理論は文化である」と。
文明には合理性が有り守られますが、非合理性と思われがちな文化は誰かが守らないといけません。食養生は代々その土地で受け継がれた食文化です。

お寿司を食べに行くと、海老には尻尾が付いてきます。海老の尻尾には海老の食中毒を防ぐ成分が見つかっています。

ステーキを食べに行くと、ニンニクが付いてきます。肉の臭みを消し、タンパク質を固め消化を促進します。ニンニク成分のアリシンには殺菌作用があり食中毒を防ぎます。

天つゆに入っている大根おろしは、油の消化を助けます。大根にはアミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ等の消化酵素が大量に含まれています。

東洋医学の古典「黄帝内経素問」の「臓気法事論篇」には「甘は苦により瀉される」と有ります。日本茶(苦)で和菓子(甘)の毒消しをします。抹茶と和菓子の相性が出来あがります。
同様に「辛は酸により瀉される」と有り、唐辛子の辛みは酢の物で簡単に取れます。

命の長い物が主食になります。
放置して腐れる肉類や野菜類は副食になります。放置して腐れない食材が主食になります。イモ類、穀類等です。
古典の「喫茶養生記」には「一切の食は甘を性となしたる也」と記載されています。米、小麦、トウモロコシの穀類や、様々なイモ類を主食にしている民族が多いのも頷けます。
また穀類やイモ類は発芽し新しい命が生まれます。次世代へ遺伝子を残していく大事な命の伝達の役目があります。