神秘湯(シンピトウ)

2021年1月19日;

喘息や気管支炎、風邪の咳などに使用する処方で神秘湯があります。
神秘湯証は痰が少なく、息切れが中心の場合が多いです。

原典の外台秘要(ゲダイヒヨウ)では麻黄(マオウ)3、蘇葉(ソヨウ)3、橘皮(キッピ)3、柴胡(サイコ)4、杏仁(キョウニン)4の五味の処方です。
浅田流では厚朴(コウボク)3、甘草(カンゾウ)2を加え七味の神秘湯が使われています。
柴胡剤に麻黄・杏仁と厚朴・蘇葉の働きが加わった処方です。

20年以上前に当薬局に中年の男性が慌てて駆け込んで来たことがあります。「母が喘息で病院から漢方薬を貰い、飲ませたら呼吸が出来ずに苦しんでいる」と言われます。処方を見ると神秘湯のエキス剤です。
山田輝胤先生の「漢方処方応用の実際」に神秘湯にて呼吸困難を起こした報告が書いてあるのを思い出し「お母さまにこれを2粒、直ぐに飲ませて下さい」と言って回春仙(カイシュンセン)をお渡ししたことがあります。

湯剤では甘草量を増量し3g/Dにします。エキス剤では甘草末を0.4g/D追加すると呼吸困難は起きにくくなるようです。
また加味が出来ない時は、甘草量の多い桔梗湯(キキョウトウ)と合方する方法もあります。
不幸にして呼吸困難に陥った時は回春仙などの牛黄(ゴオウ)製剤が速効です。

神秘湯にて救急車で運ばれたと言う話も聞いたことがあります。
糸練功の出来る方は、予め必ず副作用診をすると未然に防ぐことが出来ます。