楽しみを阻む潜在意識・トラウマ

2020年7月11日;
梅干しを見ると口が酸っぱくなります。梅干しを食べ酸っぱい経験をしている人は、潜在意識に「梅干しは酸っぱい」とインプットされています。
梅干しを見ると条件反射で知覚神経の異常により口の中が酸っぱくなります。

不定愁訴を訴えられる患者さんがいます。
右腕が痛い、足が痺れる、数日すると右腕ではなく左腕が痛い。また数日すると右腕がチクチクすると。
症状が定まらず、訴える場所も移動します。
こういう不定愁訴は「五志の憂(自律神経・精神不安定)」から生じます。

前回の「心の養生」で記したように、楽しむ事が治る早道です。
もし潜在意識やトラウマが、楽しむ事を阻めば、漢方治療は大きく後退します。

梅干しを食べた経験のない人は、梅干しを見ても潜在意識に無いので酸っぱくなりません。
しかし食べた経験のある人で、梅干しを見て酸っぱくならない人は居ません。

潜在意識は誰にでもあります。
梅干しを見続けるのではなく、別な物を見ると口の酸っぱさは解消します。

暗い会話や環境に居ると誰でも暗くなります。楽しい会話の中に居ると楽しくなります。
不平を言う人の中にいると自分も不平を言いだします。優しい人と接すれば優しくなります。

潜在意識を造るのは経験です。

ご自分の辛い症状を見て、辛い心を語る。
更に辛さを思い出し、更に辛さを再認識していきます。
経験回数が増える程、潜在意識は強くなります。

梅干しの酸っぱさを忘れる事は出来ません。
解消するには、ご自分の辛さに目を向けない事、別な事に目を向ける事です。

患者さんの辛さを聞き、治療する側の私達が必要以上に患者さんへの思い・情が入ると、正確な判断ができなくなります。

私は患者さんと接する時、患者さんの心と身体の悩みを聞き過ぎないように気を付けています。
証(漢方治療法、体質)の把握、判断することが大事で、問診データ以上の訴えは必要ないです。

聞いてあげる事が大事ではなく、理解してあげる事が大事です。

辛さをお話し続ける患者さんには、「お病気以外の話」や「楽しい話」「病気が治った先々の夢」に話題を変えていきます。
「楽しさ」や「先々の夢」や「笑い」が潜在意識に刷り込まれ、症状が改善していきます。

前回の「心の養生」で記しました「楽しさ・笑い」に左右されるインターロイキン6は、リウマチだけでなく炎症性疾患の急激な悪化を抑えます。アトピー性皮膚炎蕁麻疹、膠原病、肝炎、膵炎・・・など多くのお病気の炎症に関係する生体内物質です。

同様に「笑い」で活性化するナチュラルキラー細胞・キラーT細胞は、癌(がん)や体内のウイルスと闘い撲滅する免疫細胞です。