先祖返り

2022年2月2日;(写真は インドネシア バリ島です。)

30年程前、末期がん患者さんの貧血に対応したことがあります。私の知る限りの漢方処方を考えました。しかし、どれも上手く適応しませんでした。

その当時に勉強してた書物に、困った時は「原方に返る」との記載がありました。
原方の基本処方に加味をして、様々な漢方処方が出来あがります。

加味方にて出来上がった処方が奉功しない時、最初の基本処方に戻ると、効く場合があるという事象が「漢方薬の先祖返り」です。
難治性の場合が多いです。

貧血の処方は殆どが四物湯(シモツトウ)か又は四君子湯(シクンシトウ)の加味方から発展しています。
今まで十全大補湯(ジュウゼンダイホトウ)や六君子湯(リックンシトウ)なども試しましたが上手く行かなかったのです。
それが基本処方の四君子湯でずばり貧血が改善しました。

十全大補湯にも六君子湯にも四君子湯の薬味は入っています。しかし単純な四君子湯でないと効かなかったのです。

麻杏甘石湯(マキョウカンセキトウ)が効いていた小児喘息が、途中から効かなくなることが有ります。
麻杏甘石湯の先祖は甘草麻黄湯(カンゾウマオウトウ)です。麻杏甘石湯にも甘草(カンゾウ)、麻黄(マオウ)は含まれています。
麻杏甘石湯で治まらなくなった喘息が、先祖の基本処方の甘草麻黄湯を使用すると、また喘息の発作が治まるのです。
麻杏甘石湯は4味、甘草麻黄湯は2味の処方。薬味の数が少ない程、効果はシャープになります。
それだけ甘草麻黄湯証の喘息は難治性なのだと考えられます。

薬味の数が少ないと、効き目はシャープとなります。
薬味の数が多いと、体質改善力が増します。