治療原則「先急後緩(センキュウゴカン)」

2021年3月6日;(写真は 長野県 白馬 名木山ゲレンデ です。)
前回の治療原則「先表後裏(センピョウゴリ)」から続きます。
前回は先に表を治療し、後で裏を治療する。または上焦から下焦へ治療をしていくのが東洋医学の治療原則だと書きました。

どんな治療法でもそうですが、この「先表後裏」には例外があります。
それが「先急後緩(センキュウゴカン)」です。

傷寒論陽明病篇「二陽の併病・・・但潮熱を発し・・・譫語(センゴ)する者は之を下せば即ち癒ゆ、大承気湯に宜し
太陽病と陽明病の併病で、裏の陽明病の特徴である潮熱があり、うわ言を言うほど陽明病の病態が強い時があります。
その場合、まず裏の陽明病の下す治療をすると直ぐに改善します。その後で残った表の太陽病の治療をしていきます。

治療原則は「先表後裏」ですので、表の太陽病を治療し、その後に裏の陽明病を治療するのが原則です。
しかし余りにも陽明病の症状が激しい場合は「先急後緩」で急を要する病態である陽明病から治療をしていきます。

「先補後瀉」、「先瀉後補」などの治療法もあり、江戸時代には先瀉後補が主流だった時代もあります。まずは下してから、瀉してから治療を始める。その時代には瀉血なども流行ったと聞いています。
しかし本来の東洋医学の治療法から考えると、先補後瀉、先瀉後補はあくまで結果論だと考えた方が良いかもしれません。

治療原則「合病(ゴウビョウ)」に続きます。