時間で変わる煎じ薬

2020年9月17日;
漢方薬は煎じる時間で効果が変わります。

日本茶を入れる時に、1煎目、2煎目までは甘いお茶が出ます。
4煎目、5煎目になると渋みが出てきます。
また高温だと渋みが多く、低温だと甘みが増します。温度と抽出時間でお茶の成分が変わるからです。

漢方薬も煎じる時間で抽出される成分が変わります。
一般に補剤は長く煎じ、瀉剤は短時間で煎じます。

幾つか例を挙げます。
三黄瀉心湯と言う漢方薬が有ります。煎じるのではなく、お湯をかけるだけの振出(フリダシ)で使うことも有る漢方薬です。
胃腸薬として使う苦味健胃薬のセンブリなども振出で飲めます。

大黄と言う漢方薬には2つの働きがあります。
清熱作用と瀉下作用です。
清熱作用で使用する場合は、長めに煎じ、瀉下作用で用いる場合は短めに煎じます。

附子剤も2つの働きが有ります。
鎮痛作用と賦活作用です。
鎮痛作用で使用する場合は、50~60分で煎じます。50分以下は毒性が残り、60分以上では鎮痛成分が分解し効果が薄れます。
しかし賦活作用で使用する場合は、1時間以上で長く煎じます。
煎じる時間により成分が変わるからです。

また再煎法と言う独特の煎じ方が有ります。
柴胡剤を煎じる時の方法です。
1度煎じたらカスを取り、再度10分程煎じると化学反応を起こすと考えられます。効果も味も変わります。