薩摩の教育

2020年9月7日;
私が育ったのは鹿児島の武町と言うところです。
町内には西郷隆盛の「西郷屋敷」が有りました。朽ちかけた家に、タンスには着物。漢字の文章が書いてある机などが有ったのを覚えています。
幼稚園の頃の私達の遊び場でした。

当時の鹿児島では、幼少の頃から男の子は厳しく育てらていれました。
1.「男はしゃべるな」
 幼稚園年少くらいまでに教育されます。
しゃべるだけで父から怒られていました。
何故、怒られるのか理解できない思い、父へ腹が立った記憶が有ります。

2.「我(ガ)を言うな」
 小学に入るまでに教育されます。
「我」は我が儘、「自分の得になる、利益になる主張をするな」
また「自分ではなく、女や弱い者を守れ」の意味も含まれます。
これは父以外にも、母にも、お祖母ちゃんからも「我を言うな」と1日に何回も言われていたように記憶しています。

3.「義(ギ)を言うな」
 「屁理屈を言うな」の意味です。
「筋を言うな」、「口数は要らん、動け」と教えられます。

4.「泣こかい、飛ぼかい。泣こよかひっ飛べ」
 小学校に入ると、家庭での教育は無くなります。家では放任です。
地域での教育が始まります。上級生・年長者からの教育です。
小学1年生が飛べるはずのない川を上級生が「飛べ」と言われます。
「飛べない」と泣くか。
飛べなくても飛ぶか、「泣くくらいなら川に落ちても良いから飛べ」の教えです。
泣こかい、飛ぼかい。泣こよかひっ飛べ
喧嘩をし負けて家に帰ると、「もう1回喧嘩してこい」と家に入れてもらえないのもこの頃です。

5.「言い訳を言うな」怒気と勇気の違い
 「言い訳をするな」と怒られます。
言い訳ではなく、たとえ自分が正しくても。「聞かれるまで自分から理由(ワケ)を言うな」と教えられます。

そして中学生に入ると立志式(元服)です。
今の時代では、理不尽でハラスメントなのかもしれませんが。

薩摩の教育は朱子学です。朱子学は儒教から発達した教示です。
朱子学では、陰陽の気により五行が生まれ、万物は五行の組合せで構成され、人間も天地間の一物であると考えます。
「自己と宇宙はにて結ばれ、自己と社会は同一化、統一する」と考えるのが朱子学です。
「自分と社会との関係、自分と周囲との関係が大事であり重要である」との教えです。

東洋医学の「大宇宙の中の小宇宙」社会の中の自分、身体の中の病も同じです。
病だけを攻撃するのではなく、病と身体の関係が重要で、治すための根源です。
東洋医学の「天人合一の思想」と朱子学は全く同じです。