漢方生薬の採取時期

2022年4月21日;(写真は 広島県 原爆ドーム です。)

漢方薬の採取の時期は決まっています。
千金要方(センキンヨウホウ)を書かれた孫思邈(ソンシバク)が晩年に集大成した千金翼方(センキンヨクホウ)、巻第一採薬時節第一には
其の薬を採取する時節を知らず・・・
艾葉は三月三日・・
麻黄は七月七日・・
丹参は五月・・
車前子は五月五日・・
決明子は十月十日・・・

と細かく記載されています。
民間生薬は葉物が多く、漢方生薬は根物が多いです。

根物の採取時期
植物は夏に沢山の日光を浴びて栄養分を根に蓄えます。その栄養分で次の春に芽を出します。
根物の生薬は地上部が枯れた時が最もエネルギーが貯まっています。その時期に採取します。
山薬(サンヤク)や葛根(カッコン)、人参(ニンジン)など多くの生薬があります。

花も漢方薬として使います。
花は満開時はエネルギーを使い果たした結果で一番美しいです。
蕾からまさに花を開かせようとする開花初期が最もエネルギーが強いと考えています。
菊花(キクカ)、辛夷(シンイ)などです。生薬市場には大きく開いた菊花も多いです。安価ですが効果は薄いと考えられます。

民間薬に多い葉物も新芽が良いです。動物や昆虫は新芽が大好きです。

実物は動物や鳥が食べる完熟した時が採取時期です。
実物は「降(コウ)」の働きがあると東洋医学では考えています。完熟していない実はまだ落ちません。落ちる寸前の完熟した実が「降」のエネルギーが強いと考えます。
枳実(キジツ)、大棗(タイソウ)などです。

種子も実物と同じ「降」の働きです。
動物や鳥が実と一緒に種子も食べ、排便で別の場所へ種子を拡散していきます。
東洋医学では完熟した実物の内なる種子が「降」のエネルギーが強いと考えます。
紫蘇子(シソシ)、車前子(シャゼンシ)などです。