様々な薬用人参 No.3

2020年8月5日;
薬用人参は、朝鮮人参(長白山人参)の事を言い、漢方薬としては一般的に1種類が使われています。
しかし人参だけでも様々な薬用人参が有ります。

太陽堂漢薬局では、白参を2種類、竹節人参、紅参、黒参、党参、太子参、西洋参の8種類を患者さんの身体の状態に合わせ使い分けていきます。

今回は各種人参とその働きの一部ご紹介します。
やや専門的になります。

1、白参は、2種類を使い分けます。甘い人参とやや苦みのある人参です。
補気(元気を出し、新陳代謝を高めます)と清熱(炎症を取り、機能亢進を抑えます)、虚証(体力が無く、体質的にも弱い)と実証(体力が有り、体質的にも強い)で使い分けます。

2、竹節人参は、炎症性の疾患に使います。
肝炎・胃炎・激しい咳などです。

3、紅参は、白参を蒸したものです。
瀉剤としての苦みの成分が抜けるため、人参本来の働きが増します。

4、黒参は、紅参を更に蒸した人参です。
人参の芯の中心部の成分に近くなると考えられます。
心機能の低下した心不全・弁膜症、BNP(心機能を判断)が高い人に使用し、心機能を高めます。

5、党参は、白参服用にて血圧が上昇する場合があります。その時に白参の代用として使用します。

6、太子参は、昔は皇帝の子息しか飲めなかった人参の意味で太子参の名が付きました。
貴重な人参です。白参と補気の強さで使い分けています。

7、西洋参は、インディアンがアメリカ大陸で使っていた伝統薬です。
見た目も白参と似ています。補気の作用は非常に強く、気力体力が落ちている患者さんに使用します。

以下は薬用人参とは少し異なりますが
8、田七人参も2種類を使い分けます。
20~30頭級は瀉剤(清熱、血液の流れを改善)の力が温和なので妊娠中の痔核等に、或いは弱った人に使用します。
120~180頭級は瀉剤として効果が強く止血作用も強力です。一般の痔核や出血性疾患、吐血・喀血、打撲、むち打ちなどの事故、狭心症等の血栓に用います。

9、玄参は、本来の人参と異なります。
黒い人参で東洋医学の臓腑経絡「腎」に配当され潤の働きが強いです。
気管支などに潤いを付け、切れにくい濃い痰などに使用します。

10、丹参も本来の人参と異なります。
中国の家伝薬として使われていました。
毛沢東の心筋梗塞が良くなったことで有名になりました。血流を良くし脳梗塞などの血栓症に使用します。