
2021年9月22日;(写真は阿蘇の中岳と根子岳です。)
麻黄と附子
麻黄(マオウ)は太陽病位の代表的な薬味です。
葛根湯(カッコントウ)や麻黄湯、小青竜湯(ショウセイリュウトウ)、越婢湯(エッピトウ)、麻杏甘石湯(マキョウカンセキトウ)、麻杏薏甘湯(マキョウヨクカントウ)などの構成薬味です。
附子(ブシ)は陰病の代表的な薬味で、基本は少陰病位です。
真武湯(シンブトウ)や四逆湯(シギャクトウ)、麻黄附子細辛湯(マウブシサイシントウ)などの構成薬味です。太陰病位でも八味地黄丸(ハチミジオウガン)などには附子が入ります。
麻黄の働き
麻黄の働きは、体表の血流を良くすることで体表が温められ、発表・発散します。
- 体表を温める事で免疫力が上昇します。(風邪などの初期は、発熱することにより免疫力を上げています。身体の本来の防衛機能です。)
病の初期や感染症などに使用されます。
葛根湯や麻黄湯など。 - また発表・発散にて体表の水分も抜けます。
表に水分が多い状態。痰の多い気管支炎や喘息、鼻水の多い鼻炎、膝に水が溜まり痛い関節炎、浸出液の多い皮膚病などにも応用されます。
小青竜湯、麻杏甘石湯、麻杏薏甘湯、越婢加朮湯(エッピカジュツトウ)など。
麻黄は、体表の症状が中心です。
附子の働き
附子は体の表と裏を温め新陳代謝機能を亢進させます。また成分のアコニンサンにより鎮痛効果があります。
- 裏(身体の深部)まで温め新陳代謝を活発化します。
胃腸機能の低下による下痢や食欲不振、心機能の低下による浮腫み、疲労感や眩暈、冷えなど各種機能不全に使用されます。
四逆湯、真武湯、附子理中湯(ブシリチュウトウ)など。 - 表寒による痛みを除きます。
リウマチや関節症、椎間板ヘルニア、脊椎分離症、脊中側弯症などにも使用されます。
桂枝加朮附湯(ケイシカジュツブトウ)、甘草附子湯(カンゾウブシトウ)、越婢加朮附湯(エッピカジュツブトウ)など。
麻黄と附子の違いへ続く