脊髄空洞症

2021年11月30日;写真は福岡城(舞鶴城)です。

20年程前に小学5年生の男の子の漢方相談を受けました。
「脊椎に空洞が出来、水が溜まります。脊椎にパイプを入れ水を流しています」との事でした。
難病の脊髄空洞症でシャントを入れていると思われました。「体育も見学です。運動も出来ません」との訴えです。

空洞を気滞(気塊)と捉え、水の溜まりを水滞と捉えました。
糸練功で確認し半夏厚朴湯を投薬しました。

半夏厚朴湯は、金匱要略の水気病篇「病者水に苦しみ、面目身体皆腫る。小便利せず、之を脈するに水を言わず反って胸中痛むを言う。気上りて咽を衝き、状炙レンの如し」と有ります。

症状を考えると
1.面目身体皆腫る → 腎炎を始めとした浮腫み
2.胸中痛むを言う → 神経症・五志の憂
3.咽を衝き状炙レン(炙レンは炙った肉の意、焼肉が詰まっている感じ)の如し → 梅核気、咽中炙レン、神経性食道狭窄症、ヒステリー球
に応用できそうです。

病因を考えると
1.水に苦しみ、皆腫る、小便利せず水滞
2.気上がりて、胸中、咽。鳩尾から喉で気の上衝が止まり、上気では有りません。 → 気滞・気塊
と考えられます。

半夏厚朴湯の服用を続け、男の子は脊髄に水が溜まらなくなりパイプ(シャント)も取れました。また運動も出来るようになりました。更に頸椎、胸椎に負担の掛かるマット運動も出来るようになったのです。

病名に合わすのではなく、証(気血水、虚実、寒熱、三陰三陽、臓腑、燥湿、収散、升降)に合わし治療するのが東洋医学の基本です。