最低限必要な証・体質の診方_摂取した食物の流れ

2021年7月10日;(写真は 福岡市大濠公園のスワンボートです。)

今回は病の原因である病因の血毒に影響を与える「摂取した食物」の流れを診ていきます。タンパク質、脂肪、炭水化物の中でも特に油脂物は血毒との関係が強いです。

ご自分やご家族の証(体質と病)を判断するためのご参考になれば幸いです。

摂取した食物の流れ

食欲

  1. 1回で食べる食事量
    1回に食べられる食事量が多いのは実証、逆に1回量が少ないのは虚証です。
  2. 食後に睡魔がある
    食事後は胃腸に血液が集まります。また胃腸は副交感神経の支配下にありますので食後は副交感神経が優位になります。
    一般的に食後に睡魔が来るのは虚証とみなしますが、胃腸に血液が集中するので他の部位の血液量が減少します。腎臓病や肝臓病、血栓症などでは食後に暫く横になるのがお勧めです。

便通

  1. 太い便
    便が太いのは実証細いのは虚証です。
    便が細い場合、他に大腸や肛門部の病気の場合もあります。
  2. コロコロ便など
    漢方では兎便トベンと言います。ウサギの便のようにコロコロした便です。腸内の水分量が減少したため腸の収縮の形のまま排便された便と考えられています。
    体内水分が減少する年配者に多く観られます。漢方では麻子仁丸や潤腸湯、地黄剤の適応と成ります。
    食養生では水溶性繊維の多い完熟した果物や海藻類、火を通した野菜を多くします。
  3. 下痢
    下痢は本来、食中毒などで身体の中に入り込んだ細菌やウイルス或いは毒物を排泄するための防御反応です。
    しかし様々なお病気でも下痢は起きます。
    また下痢は体内のカリウムを排泄するので倦怠感も生じます。リンゴや果物、野菜などでカリウム補給が必要です。
    漢方では排便後スッキリする下痢肛門部に灼熱感のある下痢は陽証。
    排便後に脱力感や色の薄い下痢、食物がそのまま排出される下痢(完穀下痢カンコクゲリ)は陰証と捉えます。
    陽証には瀉心湯類、陰証には人参湯や附子剤を使用することが多いです。
    いづれにしても下痢にて水分が減少しますので脱水を防ぐために水分補給が必要です。
  4. 腹中雷鳴(ガスが多い)
    お腹がゴロゴロなりガスが多い状態を腹中雷鳴と言います。腸内異常発酵の状態です。瀉心湯類の適応になります。胆汁の働き不足でも生じます。
  5. 脂溶性便(便器に付いた便が水で流れにくい)
    下痢は一般的に水性ですので便器についても水で流れます。便器に付くと流れにくい軟便があります。脂溶性便と言い油脂の混在した便です。

    膵頭部から十二指腸へ胆汁が排泄され、胆汁の界面活性作用で食物中の油性食物と水性食物は混和されます。本来の便は水と油脂が分離せず混ざり合った状態です。
    胆汁の働きが悪くなると水と油脂が分離した状態で腸内を経由し便となります。腸内では異常発酵を起こし臭いの強いガスが多くなります。便は水性と油脂性の分離した脂溶性便になります。

    原因の多くは胆石、胆砂、胆泥の場合が多いです。食事の西洋化で日本人には非常に多いです。油脂物を食べてお腹が痛くなったり、アルコールを飲んで吐いた経験のある人は要注意です。
  6. 裏急後重(しぶり腹)
    排便後、また直ぐに便意がきて何度もトイレに駆け込む下痢の事です。
    大腸に炎症性の病態があると考えられます。強すぎる便秘薬を服用しても生じることがあります。

次回は「寒熱」です。

  1. 最低限必要な証・体質の診方
  2. 最低限必要な証・体質の診方_摂取した水の流れ
  3. 最低限必要な証・体質の診方_摂取した食物の流れ
  4. 最低限必要な証・体質の診方_寒熱