「家老」甘草の不思議な働き

2021年9月21日;(写真は 日本海 福井県東尋坊です。)

漢方薬の働き 「家老」と「将軍」から続く

家老の甘草

「家老」である甘草(カンゾウ)量を増やすと、他の薬味の効果が増したり変化したりします。
「五気(ゴキ);寒(カン)、涼(リョウ)、平(ヘイ)、温(オン)、熱(ネツ)」は、体質や証、食物、漢方薬の寒熱を見る時の1つの指標です。

甘草の働き

入江正先生の1,990年「臨床東洋医学原論」発表の実験によると
五気である寒熱は、芍薬(シャクヤク)は涼、甘草は平です。
この2つを合わせた芍薬甘草湯(芍薬4g甘草4g)は涼に成ると思われます。
しかし実際は温になります。「涼」+「平」=「温」です。不思議です。

また大黄(ダイオウ)は寒、甘草は平の組合せの大黄甘草湯(大黄4g甘草2g)は寒に成りそうです。
しかし実際は涼になります。「寒」+「平」=「涼」です。

甘草の不思議さ

大黄甘草湯の大黄と甘草の量の比率を変えていくと更に信じられない事が起きます。
大黄の五気はで非常に身体を冷やします。甘草はで冷やしも温めもしません。

甘草量を減らし、大黄4:甘草1の比率にすると涼になります。
逆に甘草量を増すと、大黄4:甘草3の比率では寒になるのです。
大黄量は変化していません。甘草量の増減で大黄の働きが変化しているのです。

大黄4+甘草2=涼
大黄4+甘草1=涼
大黄4+甘草3=寒 です。

何とも不思議ですが、甘草は「家老」の名の通り、他の薬味の効果を増したり他の薬味の働きを変化させるのです。