蒼朮と白朮

2021年8月4日;(写真は箱根芦ノ湖の海賊船です。)
「朮(ジュツ)」はオケラと言います。京都の八坂神社のお正月のおけら祭りなどの神事にも使用されています。
また山菜として若葉を食用として食べます。
昔は押し入れに朮を敷き、お布団の除湿剤として使っていたとも聞いています。

朮は漢方薬として、水毒に使用されます。
体表では、皮膚病や関節痛などに発表作用で水分を出し治療していきます。葛根湯加朮、麻黄湯加朮、越婢加朮湯など。
裏では胃内停水などの胃腸病腎臓病など、利尿にて体内の水分を除きます。当帰芍薬散、六君子湯など数多くの漢方薬の原料になっています。

日本には白朮が自生しています。
佐渡島に佐渡オケラと言われる蒼朮の純粋種が自生していました。現在は殆ど見られないとの事です。

白朮は油が少なく食すと刺激も少ないです。
蒼朮は色が濃く油が多く、苦みと刺激があります。精油が多いのが良質で、木立蒼朮(コダチソウジュツ)が推奨されます。精油が結晶化しカビのように蒼朮を包みます。
蒼朮の質によっては発表作用が強すぎるのか湿疹が出る方がいます。蒼朮の特徴である精油が強すぎるのは問題になります。強すぎるのはダメです。
原料の選品には注意が必要です。木立蒼朮の中でも色が濃すぎない、刺激が強すぎない蒼朮を原料として選品すると良いでしょう。

白朮と蒼朮は種が混ざりやすく雑種になる傾向があります。
私が若い頃の白朮は現在の白朮より色が白く刺激も少なかったと記憶しています。