痔ろう(痔瘻)について

痔ろう(痔瘻)は、化膿性疾患で他の痔とは異なります。
痔核は下半身の血流が悪く、それにより血液の欝滞が原因で生じます。
切れ痔は肛門部分の裂傷で、一般的には痔核になると皮膚表面が硬くなり切れて起きます。
脱肛は腸の下垂か又は痔核の脱出になります。

痔ろう(痔瘻)とは

哺乳動物の肛門には肛門腺があります。これは皮脂腺が変化した臭腺です。
この肛門腺が細菌感染し化膿したのが痔ろう(痔瘻)です。
スカンクは肛門腺からの分泌物を危険な時などに護身のために出します。麝香鹿やジャコウネコは雌を引き付けるフェロモンとしての誘惑腺として臭腺を使用しています。カメムシの匂いも臭腺です。

この臭腺である人間の肛門腺に細菌が感染し化膿したのが痔ろう(痔瘻)です。他の痔は温めると改善しますが、本症は化膿ですので温めすぎると悪化します。また感染を繰り返し化膿を続けることで、癌化することもある恐ろしい病気です。

痔ろう(痔瘻)と漢方

一般に、漢方でも痔ろう(痔瘻)を治すことは難しいとされています。
しかし太陽堂では長年の経験により、この疾患を治す独自の治療ノウハウを30年以上前に確立しています。太陽堂では再発無く、ほとんどの患者さんが治ります。

肛門周囲膿瘍からの進行

肛門腺が感染すると肛門部が腫れ、痛みが生じます。そして排膿し、症状が消えたかのように成ります。この感染・化膿を繰り返しているとトンネル状の瘻管ができ、痔ろう(痔瘻)となります。

西洋医学の治療

お尻は冷たいです、血流が悪いからです。そのため抗生物質が届きにくく、飲んでも効果が薄いです。西洋医学的には痔ろう(痔瘻)は手術しか方法がありません。またクローン病や潰瘍性大腸炎に併発することもあります。

体質に合わす漢方処方

伝統漢方古方派を中心とした一般的薬方をご紹介。痔ろう(痔瘻)の場合は、以下の処方のみでは改善が難しいです。太陽堂では、プラスαの治療を加えることにより治癒率を上げています。

千金内托散

この処方は太陰病位の処方です。陽病の葛根湯や十味敗毒散・荊防敗毒散を使用した後、希薄な膿が治まらず傷口が回復しない時に用います。
内托は、「内側を助け支える」の意味です。ご自分の力では膿の産生や傷口の回復が難しくなった時に、治癒力を上げる虚証向けの漢方薬です。これを服用すると化膿が治まりやすく、腐肉が消え新肉の成長を助けます。

托裏消毒散

千金内托散と同様に太陰病位の処方ですが、少陽の虚証から太陰病にかけて使用できます。わずかに陽証の虚熱が残った状態です。
出典が「外科正宗」と「万病回春」の2種類あり、処方内容も異なります。
便宜的に托裏消毒散・托裏消毒飲と処方名を変えて使い分けています。太陽堂では外科正宗を使用することが多いです。
体内に細菌が侵入すると白血球と戦います。細菌を食べた白血球の死骸が膿になります。膿の量が少ない、希薄と言うのは、白血球が十分に細菌と戦えていないとも考えられます。痔ろう(痔瘻)等の膿が長引く、傷口が回復しない時に使用します。

当帰連翹湯

温清飲から黄連・黄柏・川芎を抜き、他の薬味を加味した処方です。
後世方の一貫堂医学で言う解毒症体質や悪液質体質に使用します。解毒・代謝が上手く出来ないタイプで、体質的にリンパが腫れやすく、頸部リンパ節腫脹が慢性的に観られる患者さんに使用する事が多いです。
この処方を服用すると、悪液質が改善し細菌に対する免疫力が上がっていきます。

大黄牡丹皮湯

下焦(下半身)の激しい化膿性疾患に使用する方剤です。急性盲腸炎で有名な処方です。
化膿も激しく痛みや発熱を伴うこともあります。痔ろう(痔瘻)の激しい化膿や急性期の炎症の強い時に使用する事があります。
処方内の薬味である大黄・芒硝を増量すると、効力を上げることが出来ます。

騰竜湯

大黄牡丹皮湯の加減方です。やや炎症が弱い時でも慢性期にも継続して使用できます。
処方中の大黄・芒硝を抜くと、更に温和に長期に使用できます。

伯州散

伯耆の国(島根県)に伝わる家伝薬です。効果が良いので「外科倒し」と言われた処方です。反鼻霜・鹿角霜・津蟹霜又は土竜霜の黒焼きを混和するので「伯耆の黒くすり」と呼ばれる伝統薬です。
痔ろう(痔瘻)等で、肉芽新生が弱い時に内服又は外用(紫雲膏と混ぜ伯州散軟膏を造ります)をすると、肉芽が新生し著しく改善します。

当薬局の改善症例

痔ろう(痔瘻)を太陽堂で治療された症例をご紹介します。
漢方の不思議な力を信じて。一緒に取り組みましょう。

とても良くなっている気がします

薬歴No.6410 男性38歳
前回、新しい漢方薬を追加して頂いたおかげだと思いますが、いつもより良くなっている気がします。
痔瘻(痔ろう)を触った感じも、腫れが引いていて、とても良くなっている気がします。

太陽堂からコメント
こんにちは。解毒・消炎作用のある漢方薬を加えてから、更に良くなって来たのですね。
化膿も、より早く改善すると思います。
引き続き、ご養生も併せて取り組んで行きましょうね。

便秘と共に大分改善されたことを実感

薬歴No.6132 女性〇歳
膿もすっかり出なくなり、肛門周辺の皮膚も柔らかくなりました。
ただし、痒みが出て参りました。便秘薬の粒剤も少量で良くなり、便秘と共に大分改善されたことを実感しています。

太陽堂からコメント
こんにちは。膿の状態は落ち着き、また便秘もかなり解消されて来ましたね。
痒みが出て来たとの事、「痔の痛みに対する粉剤」と「古血を除く粒剤」と、同時にお飲み頂く「粒剤」で改善します。こちらの粒剤は塊を取る働きがあります。出来ましたら一緒にお飲み下さいね。

余り意識しなくて過ごせます

薬歴No.181 女性51歳
痔ろう(痔瘻)は凄く調子が良いです。先月位までは、排便後に膿だまりの様な所に膿が溜まっていましたが、最近は少なく痛みも腫れもありません。
膿は当然ながら非常に少ないです。最近は余り意識しなくても過ごせる様になっています。
今までは気になっていた痔核も、同じく意識しなくて済んでいます。大きさの事ですが、以前より小さくなったと思います。しかし、まだ消える所まではいっていません。
気持ち的にも強くなった様な気がします。身体に自信が出来たのか、イライラしなくなりました。

太陽堂からコメント
痔ろうも痔核も調子が良いのですね。
膿は少なく、痔核も小さくなったのですね、何よりです。
体調が良いからイライラも減ったのでしょう。引き続き完治目指して、漢方とご養生を続けましょうね。

痔ろう(痔瘻)の疼きも少なく快適に生活しています

薬歴No.4593 男性29歳
漢方薬を飲み始めて20日間は疼きや、しこりも指で触ると分かる程でしたが、今はしこりが少し小さくなって疼きも少なく、快適に生活しています。
慢性化していた下痢も殆ど無くなりました。体質が少し改善されたと言う事でしょうか?
仕事も忙しく、漢方薬を飲むタイミングが難しいのですが、毎日飲む事を心がけています。あと食生活にも気をつけています。

太陽堂からコメント
症状が少しづつ落ち着いて来ている様ですね。本当に良かったですね。
下痢も今は殆どない状態と言う事なので、何よりです。漢方薬が合っているのでしょうね。
でも、まだ糸練功の合数は低いので油断は禁物ですよ。大事なのは、漢方薬を毎日飲み、食事と生活習慣に気を付ける事です。引き続きご養生されて下さいね。

1週間程で落ち着いてホッとしています

薬歴No.1983 女性33歳
お陰様で腫れは治りました。熱まで出て一時はどうなるかと、食事も喉を通らないほど不安でしたが、1週間程で膿が出て落ち着いてからホッとしています。
それでも、この前トイレで強く力んでから肛門内が少し切れた様で痛みがあります。

太陽堂からコメント
熱は引いて腫れは治まり、膿が出なくなって、本当に良かったですね。
合数も安定しておりますよ。また悪化状態にならない様、引き続きご養生と漢方薬を続けて下さいね。

お病気に対して

痔ろう(痔瘻)は肛門部の感染です。しかし抗生物質が効かないため、手術しか治療法がありません。太陽堂の漢方治療で、手術せずに治癒された患者さんが大勢いらっしゃいます。手術はいつでも出来ます。