蕁麻疹(じんましん)について

突然に出てくる赤く痒い蕁麻疹(じんましん)。腕や顔などに限局して出現する場合もあれば、全身に出る事もあります。
数分から数時間で自然に消失することが多い疾患です。しかし繰り返したり、症状が酷い場合は漢方治療の適用となります。

蕁麻疹(じんましん)とは

蕁麻疹(じんましん)には様々な種類があります。
急性、慢性、コリン性、日光性、寒冷、接触性、人工等などです。症状の出方や原因によって分類されます。

蕁麻疹(じんましん)と漢方

漢方の様々な診断基準の中で蕁麻疹(じんましん)は、三陰三陽(全ての病態を陰陽の強さにより6病位に分ける)を用いると鑑別しやすい皮膚病です。
出現箇所が上焦(鳩尾から上)に多い事、発生学的な内胚葉ではなく外胚葉部分に症状が出る事を考えれば、太陽病位から少陽病位が多い疾患と考えられます。
表裏(病位を体表と身体の深い部分・裏で分ける分類)では、表から半表半裏になります。
また望診(目で見ての診断)により虚実の判断をします。実証は赤味が強く隆起が高く大きいです。逆に虚証は赤味が弱く隆起が低く小さい傾向にあります。
皮膚病の場合、この三陰三陽と虚実で患者さんごとの処方が決定されます。
太陽堂では、糸練功にてアレルギーの反応穴を見つけています。足の少陽胆経、頷厭(がんえん)から数センチの箇所です。専門家の方は臨床に応用下さい。

皮膚の血管運動神経の障害

発赤と腫脹、痒みの蕁麻疹(じんましん)は皮膚の血管運動神経障害です。

  1. 抗原や外因による刺激を受ける。
  2. 刺激により肥満細胞からヒスタミンが遊離されます。
  3. ヒスタミンにより毛細血管が拡張し、血管が透けて見え紅斑になります。
  4. 拡張した血管壁の隙間から血漿が漏れ、浮腫・腫脹をします。

この過程により、赤く腫れた痒い病状になります。痒いからと掻くと、また新たな刺激が生まれ、ヒスタミンが更に遊離され症状は更に酷くなります。
このアレルギー反応が目や口中、喉、気道などの粘膜で発生すると、浮腫・腫脹が真皮上層から下層まで及びます。この血管性浮腫は硬い浮腫となり、気道などで発生すると呼吸ができずに命の危険に晒される事もあります。

原因

蕁麻疹(じんましん)の原因は、外因として花粉やPN2.5、カビ、ノミ、ダニ、ハウスダスト、急激な気温差、機械的な皮膚への刺激など様々です。
内因として、口から入れた腐敗したタンパク質や脂質、食物中のアク、色素等がアレルゲンとなります。また免疫に何らかの問題があるのではと思われる場合もあります。
しかし現実には原因が特定できない場合が多いです。
その他に、アレルギーが出ている時だけ悪化する仮性アレルゲンが有ります。様々な成分・種類が有ります。特に秋から春まではナス科、春から秋まではウリ科に注意します。太陽堂では患者さん一人一人の仮性アレルゲンも見つけ食養生を指導します。

体質に合わす漢方処方

伝統漢方古方派を中心とした一般的薬方をご紹介。

香蘇散

海産物で蕁麻疹(じんましん)が生じた時にファーストチョイスとして選ばれる処方です。魚類以外にも蟹やその他の魚介類全般です。
太陽病位の虚証の漢方薬です。
薬味中の蘇葉は紫蘇です。青紫蘇は雑種が多く効果が薄く、薬用では紫を使います。また紫蘇の中の精油成分が重要ですので、エキス剤では十分な効果は期待できません。煎じ薬か、2000年前からの伝統製法による散剤に効果があります。

魚介類で食中毒を起こした経験のある人の慢性蕁麻疹(じんましん)にも効果があります。

橘皮大黄芒硝湯

少陽病位の実証向けです。
魚介類や肉類、豆類、野菜等でも食中毒なら橘皮大黄芒硝湯がよく効きます。
食中毒の経験のある方なら慢性の場合でも適応となります。また他の漢方薬が効かない場合、応用が広いので一度試してみる価値のある薬方です。

当帰飲子

老人性掻痒症に使用する機会が多い処方です。
また年配者の日光性皮膚炎に使用する事も多いです。春の紫外線が強くなった時期に日光に当たった部分が発赤し痒くなります。
肌に潤いを付ける海産物やバラ科の果物、ハチミツ等を摂ると再発し難くなります。
また、火を通し過ぎた野菜や高菜付けなど、緑の野菜が茶色く変色した色素や化学薬品が原因の場合もあります。

葛根湯

太陽病位の実証向けの漢方薬です。原処方のままでは効果が見られません。治療には、太陽堂独自のノウハウを2つ応用します。
急性、慢性に囚われず、非常に多くの蕁麻疹(じんましん)に効きます。また即効性があり再発もしません。

消風散

一般的に浸出液が多く、厚い痂皮形成をするタイプの湿疹やアトピー性皮膚炎に使用する処方です。
しかし浸出液が無い事もあり、お風呂上りやお布団で温まると酷くなる蕁麻疹(じんましん)にも使用します。消炎性のある瀉心湯(黄連・黄芩を中心とした処方)や黄連剤の入った処方と合方すると効果が上がります。
浸出液が無い場合は当帰飲子証に似ています。
肝臓の解毒機能が改善するのか、消風散を服用するとお酒が強くなります。また瀉心湯や黄連剤も肝機能を改善することを考えれば、アレルギー原因物質の解毒を助けているのかもしれません。

桂麻三兄弟

桂麻各半湯、桂枝二越婢一湯、桂枝二麻黄一湯の3種類の漢方薬を桂麻三兄弟と言います。
温病(身体の内側に熱が籠った病態)の太陽病位から少陽病位に使われる代表的な処方です。
熱が上焦に上がるため上半身が火照り、顔、特に目の周囲に少しピンクがかった赤味があります。
この上焦の熱が蕁麻疹(じんましん)として発現する事が有ります。

当薬局の改善症例

蕁麻疹(じんましん)を太陽堂で治療された症例をご紹介します。
漢方の不思議な力を信じて。一緒に取り組みましょう。

今週は殆ど出なくなりました

薬歴No.4776 男性39歳
先週までは、夜中にまだ蕁麻疹(じんましん)が出てましたが、今週は殆ど出なくなりました。出る場所は、腰周り、太ももです。
食べ物は、注意されてるのは食べてないです。

太陽堂からコメント
今週は出なかったのですね。良かったですね。
糸練功の合数も順調に上がっていましたよ。きちんと養生なさっているのですね。有難うございます。
体質の改善が進んで行くと、食べられる物も増えてきますからね。

色んな物が食べれるようになって嬉しい

薬歴No.5448 女性36歳
以前のように頻繁に出なくなってきました。
食べ物もだいぶ色んな物が食べれるようになって嬉しいです。蕁麻疹(じんましん)なのか乾燥肌なのか、以前とはちょっと異なる痒みがあります。

太陽堂からコメント
こんにちは。出る頻度が減ってきたようですね。食べられる物も増えてきて嬉しいですね。
前回、ミネラル豊富な生薬(アク)で痒みが出ていたと思われます。今回よりミネラル豊富な生薬を抜き、アレルギーを抑える働きのある生薬を加えました。その他の薬味も調整してあります。
痒みが酷くなった時はご連絡下さいね。

全く出ていません

薬歴No.980 女性33歳
蕁麻疹(じんましん)は全く出ていません。
食べ物の種類は無制限に食べている訳ではありませんが、以前より制限するのをだいぶ緩めています。
手の指は、洗いものをする時に洗剤がつくと痒くなる時がたまにありますが、その他はとても落ち着いています。

太陽堂からコメント
蕁麻疹(じんましん)は、落ち着いているようですね。本当に良かったですね。
もう暫くしましたら、漢方薬も30日分ずつお出し出来るようになりますよ。

全く蕁麻疹(じんましん)が出なくなりました

薬歴No.7279 男性25歳
毎日、毎晩のように出ていた蕁麻疹(じんましん)が、全く出なくなりました。

太陽堂からコメント
今日は糸錬功でプラスマイナスに成っていました。
おそらく2か月ほどで体質改善も終わると思われます。体質改善が終わると、再発はしにくくなります。
今後も健康と再発防止で、食養生として、海産物でミネラルを摂ると良いです(特に昆布、ヒジキ)、同時に甘い物(白砂糖)を減らし、緑の葉野菜や日本茶を多く摂ってくださいね。

お病気に対して

粘膜に蕁麻疹(じんましん)が出来ると、固い血管性浮腫を生じ症状が酷くなります。気道で起きると呼吸ができないため命に関わります。漢方の得意分野です。体質改善をすると抗ヒスタミン剤を飲む必要もなくなります。