処方内の標本治療

2022年2月4日;(写真は インドネシア バリ島です。)

漢方には標本治療法(ヒョウホンチリョウホウ)があります。標治部(ヒョウチブ)と本治部(ホンチブ)を同時に治療する方法です。

標治部は症状の強い部分、本治部は病の原因部分です。

標本治療は、治療原則「合病」 を参考にして下さい。

1つの漢方処方の中でも標本治療法があります。

古方の小青竜湯(ショウセイリュウトウ)を例にとると

  • 病の原因の「上昇する胃内停水」である本治部に対し、半夏(ハンゲ)が対応します。半夏の力不足を補うには二陳湯(ニチントウ)と合方します。
  • 鼻炎や咳などの症状の標治部に対し、小青竜湯では桂枝・麻黄(マオウ)・細辛(サイシン)・五味子(ゴミシ)・乾姜(カンキョウ)が配合されています。

苓桂朮甘湯(リョウケイジュツカントウ)を例にとると

  • 病の原因の「胃内停水(イナイテイスイ)」である本治部に対し、白朮(ビャクジュツ)・茯苓(ブクリョウ)が処方されています。
  • また、症状の「気の上衝(ジョウショウ)」である標治部に対し、桂枝(ケイシ)・甘草(カンゾウ)が配合されています。

1つの漢方処方内でも標治法と本治法が組み合わされ、標本治療が出来ています。
※標本治療は「君臣佐使(クンシンサシ)」とは見方が異なります。

小宇宙の中に更に小宇宙

この苓桂朮甘湯を更に標治部と捉え、本治部の漢方治療を別にすることがあります。
例えば脳梗塞で顔面麻痺を起こした時に

  • 顔面麻痺の標治部に対し苓桂朮甘湯。
  • 脳梗塞の本治部に甲字湯加味方などです。

大宇宙の中に小宇宙があり、小宇宙の中に更に小宇宙がある。東洋医学の宇宙の入子と同じ構造です。
東洋医学の宇宙は 陰陽と小宇宙 をご参考に