難しい食養生

2022年5月14日;(写真は 福岡県福津市 宮地嶽神社 です。)

日本の食養生では全ての物を「寒熱(カンネツ)」で捉える傾向があります。
果物は「寒」、根物は「温(オン)」、海産物は「寒」・・・と。

五気(寒熱カンネツ)だけで捉えるから無理が生じます。余計に複雑化します。
五味(ゴミ)と形象薬理学を考え、病性の寒熱・燥湿(ソウシツ)、病向の収散(シュウサン)・升降(ショウコウ)の4つだけでも理解すると応用が効きます。

果物は「降」ですが、すべての果物が身体を冷やすわけではありません。
バラ科のリンゴ、アンズ、梅、すももなどは「温」です。また大棗なども「温」です。
また、バラ科の多くの果物や大棗などは「潤(ジュン)」で身体を潤します。「水は寒なり」ですが、それでも「温」で身体を温めます。
温州ミカンや金柑、橘なども「潤」ですが「温」で身体を温めます。

食養生の見かた もご参考に

根物である牛蒡は温ではなく涼・寒です。
漢方薬の根物の黄連(オウレン)、黄芩(オウゴン)、大黄(ダイオウ)、竜胆(リュウタン)、牡丹皮(ボタンピ)、沢瀉(タクシャ)、柴胡(サイコ)なども涼(リョウ)・寒で身体を冷やします。
根物が全て身体を温める分けではありません。

瀉剤(シャザイ)の物も「寒」と考えがちです。
瀉のニンニクやラッキョウは「温」です。また瀉剤の麻黄も「温」で身体を温めます。

浄血作用のある物も寒と考えやすいです。
温経湯(ウンケイトウ)は太陰(タイイン)の駆瘀血(クオケツ)剤ですが、温で身体を温めます。
同様に烏賊(イカ)にも浄血作用が有りますが、烏賊は海産物ですが、平(ヘイ)~温です。身体を冷やしません。コウイカの内部の甲羅、烏賊骨だけが涼です。

五気(寒・涼・平・温・熱)、燥湿、補瀉、升降、収散、五味、五色は別々の概念です。