漢方薬の働きは限局的 No.7

2021年8月24日;(写真は 大分県国東半島 熊野摩崖仏 横の祠です)

漢方薬は内服なので全身に効く ??? No.7

すべての漢方薬が全身に効くわけでは有りません。むしろ全身に効く漢方薬の方が少ない。」と思われます。

中焦の直ぐ上の上焦(上焦にも上下があり)に働く瀉心湯

東洋医学の脈診に六部定位脈診(ロクブジョウイミャクシン)があります。
手首の肘側直ぐの拍動部で左右3箇所の脈にて病状を把握します。
3箇所は手首側から寸(スン)・関(カン)・尺(シャク)でそれぞれ上焦・中焦・下焦に対応しています。

糸練功では手掌の上中下焦を使い六部定位脈診と同じ反応を診ています。
誰でもできる「糸練功」医療気功をご参考に

右手 寸は上焦(肺・大腸)
右手 関は中焦(脾・胃)
右手 尺は下焦(心包・三焦)

左手 寸は上焦(心・小腸)
左手 関は中焦(肝・胆)
左手 尺は下焦(腎・膀胱)

脈診は
表裏と舌診・脈診
病気の進行が解る2「脈診」をご参考に

右の上焦が「肺」。左の上焦に「心」が来ています。
腹診では「心」は鳩尾付近です。「肺」は「心」の上部になります。
脈診と腹診を考えると、右手の臓腑が左手の臓腑よりやや上側にあると考えられます。
同時に、左側に配当される臓腑(心・肝・腎)は右側に配当される臓腑(肺・脾・心包)よりも深いと考えられます。

黄連(オウレン)・黄芩(オウゴン)の組合せに瀉心湯(シャシントウ)が有ります。
中焦に働く黄芩と上焦の「心」に働く黄連の組合せは、この「心」を瀉す治療処方です。
黄連解毒湯や葛根黄連黄芩湯や半夏瀉心湯、生姜瀉心湯、甘草瀉心湯など有名な処方が多いです。

心に属する黄連は君火(クンカ)、黄芩は胆に属し相火(ソウカ)です。
黄連と同じように清熱作用のある黄芩、黄柏、山梔子、柴胡などは相火です。
相火の漢方薬味は日当たりの良い所に育つ傾向にあります。君火の生薬は日陰を好んで生育すると感じます。
(君火・相火は専門家でも理解が難しい概念です、今回は説明を省きます。)

私は30歳の頃から20年以上、ある県立の薬草園の講師を務めていました。
その薬草園には黄連が栽培されています。黄連は日当たりの悪いこぼれ日の林間に咲いていました。同じ場所に薬用人参も咲いています。

黄連は清熱作用で瀉剤です。薬用人参は逆に身体を温め補剤です。
黄連と薬用人参はどちらも君火に属します。真逆の作用の黄連(陰)と薬用人参(陽)が同じ環境で育ちます。
陰陽のバランスを取り小宇宙を創ります。

以前に「トリカブトの生えている所には、1坪以内にトリカブトの毒消しが必ずある」と聞いたことがあります。それも小宇宙なのかもしれません。

陰陽と小宇宙
縄文人の小宇宙もご参考に

  1. 漢方薬の働きは限局的 No.1
  2. 漢方薬の働きは限局的 No.2 越婢加朮湯、麻黄
  3. 漢方薬の働きは限局的 No.3 葛根、防已
  4. 漢方薬の働きは限局的 No.4 駆瘀血剤。桃仁、牡丹皮、丹参
  5. 漢方薬の働きは限局的 No.5 補血薬。当帰、川芎
  6. 漢方薬の働きは限局的 No.6 柴胡剤
  7. 漢方薬の働きは限局的 No.7 瀉心湯
  8. 漢方薬の働きは限局的 No.8