漢方薬の働きは限局的 No.6

2021年8月21日;(写真は 大分県国東半島 熊野摩崖仏の大日如来 国内最古・最大の磨崖仏です)

漢方薬は内服なので全身に効く ??? No.6

すべての漢方薬が全身に効くわけでは有りません。むしろ全身に効く漢方薬の方が少ない。」と思われます。

中焦に働く柴胡剤

柴胡剤(サイコザイ)は一部の例外(四逆散シギャクサンなど)を除けば柴胡・黄芩(オウゴン)の組合せです。柴胡剤は中焦に原因がある様々な病に使用されます。
皮膚病でも胃腸病や免疫の異常でも肝機能障害や腎炎、神経症や微熱でも、東洋医学的に中焦に病の原因があれば柴胡剤が使われることが多いです。

私が若い頃の柴胡は野生の4年根を使用していました。柴胡を煎じると煎じ液の上にうっすらと油が浮いていたのを覚えています。
4年根の柴胡はサイコサポニンが減少し油性成分が増えます。
現在の柴胡は畑で栽培された1~2年根です。

柴胡は水捌けが良く日当たりの良い所に咲きます。柴胡が湿を除き(水捌けの良い所)清熱作用(日光の当たる所)を示すのもこの植生のおかげです。
野生の柴胡は4年根以上に育ちますが、畑で栽培すると2年目にセンチュウにより地上茎の地面に近い部分を円く周囲を噛み切られ育ちません。
栽培品の柴胡は、出来るだけ根の皮部分の色が黒褐色で色の濃いものを選ぶ必要があります。サイコサポニンは柴胡の毒です。油分が有効成分です。

20年以上前に傷寒論の著者と言われる張仲景の中国南部に行ったことがあります。
現地で生薬市場を回り「柴胡は何処ですか」と聞くと柴胡の葉と茎を指し「柴胡はこれです」と言われました。
雲南中医学院の教授に聞くと「柴胡の根は使わない、地上茎を使う。いつの時代から、地上茎になったか定かでない」との返答。日本では根しか使いません。
驚きと同時に、この地区では野生の5年根6年根、10年根の柴胡が土に埋まっているのだと、「野生の柴胡の根が無性に欲しい」と欲望が湧いたのを覚えています。

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