漢方薬の働きは限局的 No.3

2021年8月18日;(写真は 大分県国東半島 熊野摩崖仏に続く 参道の100段の石段です。)

漢方薬は内服なので全身に効く ??? No.3

すべての漢方薬が全身に効くわけでは有りません。むしろ全身に効く漢方薬の方が少ない。」と思われます。

上焦に働く葛根

山を散策していると蔓がいっぱいあります。蔓は根から葉へ水分を運びます。
東洋医学の形象薬理学では蔓植物は気や水を通すと考えます。
蔓植物でよく使われる漢方薬に葛根(カッコン)と防已(ボウイ)、木通(モクツウ)などがあります。

頭痛や肩こり、風邪に使われる葛根湯で有名な葛根です。
葛根は水分が減少し血滞を起こした部分に水分を流し血滞を解消します。血流を改善するため肩こりや頭痛、三叉神経痛などに使用されます。
上焦の漢方薬味です。
葛湯(クズユ)の葛の根です。成分はプエラリンpuerarinなどのイソフラボン配糖体です。しかし判明している成分では葛根の働きは有りません。葛根の澱粉に何らかの働きが有るのではと言われています。
葛根は切断面に澱粉が吹き出し少し白っぽく、触るとツルツルするのが良質です。

防已は防已黄耆湯などに使われます。
訂補薬性堤要には「防已は下焦の湿熱を除く」と有ります。下半身の浮腫みや腎炎、腎臓の水分代謝が原因の浮腫みなどに使用されます。
防已には漢防已と木防已があります。切断面が白~灰色の物は質が悪く心臓負担などが報告されたことがあります。鑑別では切断面が黒っぽいのが安全です。

葛根の蔓は木を上に向かって伸びて行きます。
防已の蔓は地面を這って伸びます。
漢方では、上に伸びる葛根は上焦に使われます。地を這う防已は下焦に使われます。
植生がそのまま漢方薬の効能となっています。自然は合理的というか不思議です。

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