漢方薬の働きは限局的 No.2

2021年8月17日;(写真は 大分県国東半島 熊野摩崖仏への鳥居)

漢方薬は内服なので全身に効く ??? No.2

すべての漢方薬が全身に効くわけでは有りません。むしろ全身に効く漢方薬の方が少ない。」と思われます。

下焦を中心とした漢方薬、陽明病の水毒

越婢加朮湯と言う漢方薬は腎炎や関節症、腰痛などに使用します、基本的に下焦の漢方薬です。
しかし上焦の湿疹や結膜炎などにも使用します。症状は上焦や表でも口渇がある場合などは、下焦の陽明病位の湿疹・結膜炎の場合があります。

陽明病位の特徴は潮熱にて皮膚は湿です。発汗又はベタベタ湿っています。表は湿です。その分、血液中の水分は減少し脱水、口渇を呈し裏は燥になってます。

越婢加朮湯証の皮膚は湿ですので、湿疹は分泌物が多いタイプです。
結膜炎や眼瞼炎なども涙で湿の状態になっていますので、症状が激しいほど陽明病位の結膜炎・眼瞼炎として越婢加朮湯証を呈することが多いです。
越婢加朮湯中の麻黄・石膏の組合せで止汗、分泌物を減少させます。

麻黄には発汗作用があります。
麻黄や桂枝は体表の毛細血管の血流を良くし体表を温める事により、発表・発散・発汗作用にて表の水毒を捌きます。
桂枝、麻黄、石膏には不思議な働きがあります。

  • 「桂枝+麻黄」の組合せで発汗作用が強まります。麻黄湯、葛根湯など
  • 「麻黄+石膏」の組合せでは止汗作用に変わります。麻杏甘石湯、越婢加朮湯など
  • 「桂枝+麻黄+石膏」の組合せで大発汗へと変化します。麻黄湯加石膏、葛根湯加石膏など

麻黄の成分はエフェドリンで発汗作用として知られています。
逆に麻黄の節部分や根部分は止汗作用があります。発汗・止汗の両作用があり、麻黄全体では小宇宙を形成しているからかもしれません。
東洋医学の小宇宙は陰陽と小宇宙縄文人の小宇宙をご参考に

この下焦の越婢湯を上焦や中焦など上部に使いたい時は、上焦に効果があり虚証タイプの桂枝湯を合方します。
桂枝湯2/3+越婢湯1/3で桂枝二越婢一湯とし上焦に使用します。同時に実証に使う越婢湯がやや虚証から中間証まで使えるようになります。
桂枝湯1/3+越婢湯2/3で桂枝一越婢二湯とすると上焦から中焦へ使用できます。同時に中間証からやや実証に使えるように変化します。

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