男性・女性の漢方薬

2020年12月25日;(写真は平戸市 ザビエル記念教会です)
漢方薬には男性にはよく使うが、女性にはあまり使わない漢方薬があります。
また女性によく使うが、男性には殆ど使わない漢方薬もあります。

文献上、女性にも使う可能性はあります。しかし圧倒的に男性に使用する事の多い漢方薬で代表的な方剤は、柴胡加竜骨牡蠣湯、八味地黄丸(当薬局ではこれらの方剤は過去40年間、女性に使用した経験はありません)などです。
女性によく使う方剤では、加味逍遙散、当帰芍薬散、当帰散、女神散(女性でも出産経験のある人が多い)などです。

男性は女性ホルモンも持っています。女性も男性ホルモンを持っています。男性は男性ホルモン、女性は女性ホルモンが優位なだけです。

現実に加味逍遙散を男性に使うことは殆どありません。
例外的に男性にも使うのは肝硬変の時です。肝硬変になると女性ホルモンを代謝できず、男性でも体内に女性ホルモンが多くなり、乳房の女性化や手掌紅斑が出来ることが有ります。
肝硬変の初期には加味逍遙散を男性にも使用します。加味逍遙散は山梔子の入った柴胡剤ですので解毒能力に優れています。女性ホルモン等の解毒代謝を活発にし、駆瘀血作用にて肝硬変を改善するのだと思われます。

伝統的漢方医学では男性に使う機会が多い、女性に使う機会が多い処方があります。
薬味の働き、成分だけを考えれば、どの方剤でも男性にも女性にも同様に使用できるはずです。
薬味の組合せで出来る処方のコラボレーションに何らかの意味が有るのかもしれません。