打撲後神経痛と漢方

2021年10月22日;(写真は大分県竹田市 岡城の大手門です。)

江戸時代の日本漢方古方派の先駆者である吉益東洞(ヨシマストウドウ)が創案した処方に桂枝加苓朮附湯(ケイシカリョウジュツブトウ)が有ります。
神経痛や関節痛、脳出血後の麻痺、関節リウマチ、腰痛、頭痛など幅広く用いられる処方です。

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(三の丸の石垣)

江戸時代末期にフランスの公使が数年前からの背中や腰の痛みで苦しまれていたと言います。以前に外国で落馬し打撲してからの痛みです。日本に赴任後、痛みは激しさを増したそうです。
公使はその痛みを幕府に相談しました。幕府は浅田宗伯(アサダソウハク)を派遣しています。

浅田宗伯は桂枝加苓朮附湯を投薬しました。フランス公使の腰の痛みは数日で非常に回復したそうです。
後にフランスより謝礼が送って来たと言います。

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(断崖絶壁の上の三の丸)

打撲や交通事故、ムチウチなどの初期は駆瘀血剤(クオケツザイ)が適応します。特に田七人参(デンシチニンジン)と併用すると効果が高いです。

事故や打撲から時間が経ち、慢性化した痛みや神経痛には桂枝加苓朮附湯や桂枝加朮附湯(ケイシカジュツブトウ)が適応と成る事が多いです。
漢方は証に合わせ選薬することを考えれば、様々な処方が考えられます。
しかし私は過去40年間、打撲後神経痛に桂枝加苓朮附湯と桂枝加朮附湯以外の患者さんに当たったことはありません。ご老齢の場合は先の処方に防已黄耆湯(ボウイオウギトウ)を合方(ガッポウ)します。