漢方薬のコラボレーション

2021年1月9日;(写真は 長崎市 眼鏡橋 です)
甘麦大棗湯と言う漢方薬が有ります。
激しい精神興奮や痙攣などに使用される薬方です。発作時は頓服として用います。

ヒステリー、統合失調症、癲癇、夜泣き、不眠症、胃痙攣や腹痛、子宮痙攣、咳など激しい症状や興奮状態に用います。
癲癇の大発作では繁用薬方となります。
ご自分の意思でコントロールできない状態に使用される薬方です。

アトピー性皮膚炎などの激しい痒みは、トラウマになり必要以上に掻いてしまうことがあります。掻くとそれが刺激となり炎症反応が進みアトピー性皮膚炎などは更に悪化します。
以前、近畿大学の発表では皮膚病で掻きむしる患者さんに甘麦大棗湯を投与すると1ヶ月ほどで改善することが報告されています。

この甘麦大棗湯の処方構成は「甘草、大棗、小麦」の3味です。
「甘草」は食品に甘みを付けるため醤油やその他に配合されます。またタクアンの黄色の色付けにも使われます。
「大棗」はナツメの実です。ドライフルーツや子供のおやつに成ります。
「小麦」は小麦です。
3味は、どれも食品です。単独で食べても効果はありません。

しかし1800年前の漢方の古典「金匱要略」に記載通りの分量で混ぜると漢方薬の甘麦大棗湯が出来あがり、非常に効果がシャープな漢方薬になります。
漢方薬は薬味単味ごとの働きや生薬成分ではなく、経験に基づく組合せによるコラボレーションの産物です。