病気の進行が解る8「陽明病_潮熱3」

2021年2月13日;(写真は 玖珠郡 九重町 です。)
病気の進行が解る7「陽明病_潮熱2」から続く
オレンジ色は、理解すれば誰でも解る三陰三陽のシグナル。シグナルは可能性と考えて下さい。

陽明病の3つの型

陽明病の1つ目の型「下焦の背側(腎)の内臓熱」から続き、2つ目・3つ目の型です。

下焦の腹側(腸)の内臓熱

  1. 大黄・芒硝の証。便秘が特徴です。そのため実証の腹部膨満(腹満)が生じます。
    承気湯類が代表処方です。
  2. 腹満には実証と虚証が有ります。
    実証の腹満は、弾力があり便秘がちです。
    虚証の腹満は軟弱無力です。虚証の場合は太陰病位に入ります。
  3. 急性疾患で腹膜炎を起こしている場合や、肝硬変や他のお病気で腹水の場合も有ります。それらは腸の内臓熱による腹満ではありません。

下焦の腹側(卵巣)の内臓熱「瘀血」

  1. 牡丹皮・桃仁・水蛭・裴蟲などの証
  2. 瘀血が特徴で少腹急結と言う腹証を呈します。
    少腹急結は、左腸骨窩(臍の左斜め下、腰の内側)からS状結腸(下腹部)へ抵抗と圧痛が有ります。
    軽度の場合、左腸骨窩だけですが、瘀血が強いとバナナ状に下腹部へ伸びていきます。ご自分で触っても分かります。
    このバナナ状の抵抗物は筋肉の緊張だと言われています。
  3. 桃核承気湯・通導散証、桂枝茯苓丸(虚実により少陽病位に配当されますが、方意は陽明病の瘀血です)
  4. 「血=瘀血」の認識の間違い
    様々な医学が混入した現在、柴胡・黄芩・黄連などが適応する中焦の血熱も、当帰・芍薬・川芎・地黄などが適応する血虚も瘀血と呼ばれています。
    「瘀」は籠る(コモル)の意味で、瘀血は籠った血毒です。
  5. 「瘀血」は日本漢方の伝統用語です。
    1980年代まで数百年の間、陽明病位の下焦の籠った血熱のみが瘀血と呼ばれてきました。
    当コラムでは、腹証にて少腹急結・臍傍圧痛を伴う下焦の籠った血熱のみを伝統的「瘀血」の用語で使っていきます。

病気の進行が解る9「太陰病_無熱・手掌煩熱1」に続く