病気の進行が解る14「少陰病_悪寒・四肢厥冷2」

2021年2月24日;(写真は 金沢城 兼六園 です。)
病気の進行が解る13「少陰病_身体を温める漢薬・食材」から続く

少陰病の附子

少陰病では附子と乾姜・生姜を使用し身体の代謝を活発にしていきます。
附子はトリカブトの根です。母根を烏頭と言います。子根が附子です。
附子には2つの働きが有ります。鎮痛作用と賦活作用です。

賦活作用は心臓や内臓を賦活し新陳代謝を活発にします。まさに少陰病の病態に合う生薬です。
中毒性が有るため少し長めに煎じます。1時間以上煎じると中毒性が減り賦活作用も上昇すると言われています。しかし1時間以上煎じると鎮痛効果は落ちます。
当薬局では賦活作用を期待する時は1時間以上煎じ、鎮痛作用を期待する時は50~60分煎じる様に指導しています。

附子の鎮痛効果

この中毒性を解消したのが加工附子です。加工附子は毒性が少なく痛みを取るアコニンサンの成分が多いと言われ神経痛やリウマチなどに使用されます。
加工附子は毒性が少なく鎮痛効果には優れていますが、賦活作用は弱いと言われます。

鎮痛効果で用いるもう一つの生薬は麻黄です。神経痛や膝関節症、リウマチなどに使用する麻杏薏甘湯や越婢加朮湯などは麻黄剤です。
「麻黄は心臓を瀉し、附子は心臓を補います」
両薬味を配合すると、心臓に対する負担を打ち消し合いますので比較的安全に使用することが出来ます。
※麻黄剤に加工附子(心臓を補する力は弱い)を使用し合わない時は、麻黄による心臓負担の可能性があります。加工附子を炮附子に変えると、麻黄で瀉された心臓を炮附子で補い症状が消失する人がいます。

附子剤の鎮痛効果で、リウマチや神経痛、膝関節症などに桂枝加朮附湯、越婢加朮附湯、葛根湯加朮附湯、桂枝二越婢一湯加朮附湯などを使用します。
附子剤と言うだけで、これらの病態は少陰病に配当されています。
しかしこれらの病態では心臓は虚していません。心臓の虚があれば少陰病ですが・・・
同じ表寒(体表の筋肉や骨の痛み)の病位には少陰病の他に太陽病が有ります。
身体痛は、心臓の虚が無いので太陽病の表寒が強くなっただけとも考えられます。

病気の進行が解る15「厥陰病」に続く