食養生の「気味」における豚肉

2020年7月3日;
東洋医学では「気味」と言われる概念があります。
気味は「五気」と「五味」からなります。
今回は、その五気についてご紹介します。

五気には更に2種類の概念が有ります。5種類の「香り」と5種類の「寒熱」です。
今回は5種類の寒熱(身体を温めるか、冷やすかの目安)をご紹介します。

寒熱は「熱、温、平、涼、寒」の5種類に分かれます。専門的には微寒、微涼、微温と更に細かく分類していきます。
食材や漢方薬がどれくらい身体を温めるか冷やすかを判断する目安です。

「熱」は新陳代謝を活発にし機能を亢進し体温を上げます。低血圧症や貧血、黄体機能低下の人に合います。
「寒」は清熱作用があります。行き過ぎた機能亢進を抑え体温を下げます。一般的な高血圧症や多血症、瘀血の人、炎症のある方にに合います。

私たちの食卓に上がっってくる肉料理には様々な種類があります。
牛肉(強温)、鶏肉(微温)、豚肉(平~涼)、マトン(微熱)、馬刺し(涼)。
東洋医学の食養生では、これらの肉はそれぞれ働きが異なります。

五行(臓腑)理論では、マトンは「心経」に属し寒熱は「微熱」になり、牛肉(強温)よりも更に熱性があり身体を温める働きが最も強い肉です。
北海道で焼肉と言えばジンギスカン、マトンです。

東洋医学の古典「黄帝内経霊枢 本神篇第八 法風」に「肝は血を蔵し、それを調節・・・」と書いてあり、肝経と血の関係が記されています。
東洋医学では「似臓補臓(同じ臓器を以て補う)」と言う理論があります。
肝経はレバーで補います。他の肉に比べ鶏のレバーには鉄分が多く貧血の方に合っています。

肉は一般的に温~熱になる事が多いですのですが、豚肉だけは平~涼でやや身体を冷やします。
豚は10,000年以上前に中国で猪を家畜化し変化しました。ここでは猪と豚を同列に扱います。

漢方薬に紫雲膏という外用の不思議な軟膏があります。靴擦れをして痛い時に一塗すると瞬間的に痛みが取れます。火傷をした時にも直ぐに痛みが消えます。
この紫雲膏の基剤が豚脂です。
猪・豚の脂は他の動物と違いオレイン酸、リノール酸、リノレン酸など人間と非常に構成比率が似ています。
また豚の皮膚と人間の皮膚は性質が似ています。大火傷の時に一時的に豚の皮膚を移植する事も有ります。

声を使いすぎた時など豚骨ラーメンを食べると、次の日に喉がスッキリします。
漢方では豚肉は「腎経」に属し涼(冷やす、清熱作用)の性質があります。豚脂には炎症を取る働きがあると考えられています。

豚脂には大量のヴィタミンB1が含まれています。ヴィタミンB1は摂取した糖質の代謝を促進しエネルギーへ変換します。他の肉より豚肉は肥りにくい食材です。